クリスのディオールが、どうしてもエディのディオールに敵わないといわれてしまう、4つの理由 – Vol.2

こんにちは。コラムを担当させております、デザイナーの木田と申します。

今回は、連載「クリスのディオールが、どうしてもエディのディオールに敵わないといわれてしまう、4つの理由 」の第2回目になります。

 

継母への嫌悪感:エディ信奉の喪失感のあらわれ

クリス・ヴァン・アッシュが、エディ・スリマンに敵わないといわれてしまう二つ目の理由として、エディがいなくなったことの喪失感が、その後釜となったクリスへの嫌悪感として表れてしまっていることが考えられます。

一時代を築いたエディというカリスマを信奉するあまり、その不在を嘆く気持ちが、やり場のない憤りとなってたまたまクリスに向けられてしまったというわけです。

エディが切り開いた世界観をクリスが丁寧にトレースしていたとしても、ただ「エディではない」という理由だけで切り捨てられてしまった。いわばクリスは、エディ信奉者にとって継母のような存在だったと言えるかもしれません。
これもエディとクリスそれぞれのデザインとはまったく関係なく起こる感情的な問題と言えるでしょう。

ファッションの世界では、こうしたデザインの本質とは直接かかわりのない、パッケージ上の情報がコレクションの評価を左右してしまう場合が少なくありません。

 

 

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