クリスのディオールが、どうしてもエディのディオールに敵わないといわれてしまう、4つの理由 – 最終回
こんにちは。コラムを担当させております、デザイナーの木田と申します。
今回は、連載「クリスのディオールが、どうしてもエディのディオールに敵わないといわれてしまう、4つの理由 」の第5回目、最終回となります。
これまでのまとめ
ビッグメゾンにおいて、あるデザイナーがディレクションを行なう場合、膨大な過去の資料と向き合うことを余儀なくされ、それまでに培われてきたDNAを反映した服づくりとなるのが通常です。
ディオールオムの場合、メンズライン自体が新しいものであったため(ディオールムッシュがあったにせよ)、エディが実質的なブランドの開祖という位置づけになります。
そもそもデザインを比べて評価することはできないはずですし、また意味もありません。唯一比べられるとしたら、数字のあるもの、すなわち商業的な成功の度合いや、就任している年数の違いです。
ところがシャネルを再興し、ココ・シャネルが稼いだ以上の利益をメゾンにもたらしたカール・ラガーフェルドでさえ、シャネルを越えるデザイナーと呼ばれることはありません。
つまりどれほどクリスのデザインが優れていようとも、開祖であるエディをクリスが越えたという言説が生まれる可能性はほぼゼロに等しいということになります。
デザイナーは、一着の服をつくるに際し、使うパターンの数を競って多くすることで、手の込んだ作りであることを主張しようとする傾向がありますが、ディオールオムは、シルエットにかなり気を遣う一方で、全般的にパターンはそれほど複雑でなく、奇をてらったところがありません。
これはエディ、クリスに共通する特徴で、ディオールオムが一つのスタイルを徹底して作り上げようとしていることを伺わせます。
エディとクリスは、ともに各々の才能を発揮しながら、ディオールオム独自の世界観をつくりだし、今後長く続くであろうブランドの黎明期を支えてきました。
優れたデザイナーである二人が、互いに切磋琢磨しながら成長する様子をこれらかも楽しみに見守りたいと思います。
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